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Vol.08 「誰かを楽しませるには、まずは自分が楽しむこと」

Vol.08 「誰かを楽しませるには、まずは自分が楽しむこと」


私は旅行/デートの計画を立てるのが好きだ。

グーグルマップのピンはジャンルごとに細かく分類され、日本中いや世界中に何百と刺さっている。表示をいじらないとピンで陸地が見えないくらいだ。旅行にいくときは旅のしおりを作るし、走る道をストリートビューで確認して、その景色時間帯に合いそうな曲順のプレイリストも作る。もはやそれは趣味の域を超えて癖である自覚はある。友人たちには(半ばいじられるように)「ナビタイム」とあだ名をつけられるし、デートマスターとしてビジネスをやったらいいと言われたりしてきた。妻には「分刻みの旅のしおりはもはや狂気」とひかれた経験がある。

ではなんでそんなことするのか、その答えは簡単だ。とにかく自分が楽しみたいから。限られた時間の中で、自分が最大限楽しむための攻略法を探しているだけ。その攻略の時間も含めて旅の楽しみだと思っている。そして何より、一緒にいる誰かを楽しませる一番簡単な攻略法は、自分が楽しむことだと思っているから。それだけが理由だ。

プレゼントも同じだ。私は今まで誰かにプレゼントをする時、「相手が今一番欲しそうなもの」ではなくて「相手に良さを伝えたい自分が一番いいと思うもの」を選ぶようにしてきた。

プレゼントの本質は、渡すモノ自体ではなく、それを選び渡すその行動の熱量にあると思う。「〇〇、プレゼント、おすすめ」で検索したって、無難な選択肢が並ぶだけで、自分にしか選べない唯一無二のものはそこにはきっと出てこない。自分の好きなモノは自分にしか選べないし、その良さは簡単に熱をもって伝えることができる。「プレゼンテーション」と「プレゼント」は同じ語源だ。自分自身の言葉で良さをプレゼンできないものをプレゼントしたって、相手にその魅力が伝わるわけがない。(逆にいうと、それで良さが伝わらなければ、その相手とはかなり価値観/趣味が合わない可能性があるのでハイリスクではあるけれど、それを知ることができる良い機会だ)

 


幼き日、外で見つけたとっておきの宝物を母親や好きな子にプレゼントしていた。
大人になっても、そのスタンスを忘れてはいけないと思う。

 

そしてこれは、Vintryというブランドの在り方にも通じる。
Vintryはとてもとても小さなブランドだ。最大公約数的に広くたくさんの人の共感を得られる製品を作ろうとしたって、きっとそれは幾多数多ある他の多くの大きなブランドさんたちの影に隠れてに埋もれていってしまうだろう。一方で、それらの逆張りをするように奇をてらったスタイルで目立とうとしたって、そんな浅はかなスタンスはきっとすぐに見え透いてしまい飽きられてしまうだろう。結局まわりを意識し過ぎずに、ただただ自分達がいいと思う香り、欲しいと思う製品、を嘘偽りなく作ることが、ブランドの魅力を伝える一番の近道な気がしている。

そして、そのスタンスに共鳴してくれるひとはきっと、いろんな価値観で共鳴してくれて、ずっとブランドの側にいてくれる気がする。そんな人たちのことを想いながら、わたしたちはVintryのことを考えている。


Writer Makoto Kobayashi