最近、人生でベスト3に入る中華丼に出会いました。
その帰り道「なんでこんなに中華丼が好きなんだろう」と考えはじめたら、ある共通点に気がつきました。
私は、どうやら「ごちゃごちゃしているもの」に惹かれるっぽい。
好きな食べ物は? 中華丼、ちゃんぽん、豚汁、けんちんうどん。どれも具材がごろごろ入っている。
好きな街は?と聞かれたら下町とベトナムとトルコと答えます。
新しいものと古いもの、活気と静けさ、秩序と混沌。一見すると相反するものが同じ場所に共存している景色に、私は昔から心を動かされるのです。
音楽も、一つのメロディだけではなく、いろんな楽器が重なって鳴っている曲ばかりを聞いてるらしい。
部屋も家具や飾りに統一感はないし、趣味だってすぐに気が変わります。
人付き合いだってそう。
年齢も職業も国籍も関係なく、いろんな人と話すこと、知れることに触れられる仕事を選んできました。
ときどき、統一感がなくて定まらない自分に嫌気がさすこともあります。
でも、ここまでずっと変わってきてないというならば、きっと心の奥ではこの「ままならなさ」が心地いいのでしょう。
そして周りの人は決まって、
あなたらしいね
と言います。
振り返ると、小さい頃から私は「対比」に敏感だった気がします。
都市と田舎。日本と海外。内と外。
異なる世界が隣り合う景色を、自然と見ながら育ってきました。隣り合ったり行き来するようになった経験が自分の価値観や美学を形成しているのでしょうか。
先日のコラムで述べたのは「重ねることの美しさ』層や年輪?であるならば、「寄せ集めの、雑味のある美しさ」なのでしょうか…
……それにしても、この美学が食べ物にまで表れているなんて。
中華丼が好きだからこういう人になったのか。
こういう人だから中華丼が好きなのか。
ただ単純に出汁が好きな、日本人だからだけ?
と、偏屈に無理やりこじつけたりして思いに耽る時間は結構楽しいものです。
一方で、ブランドをつくる仕事は、その真逆でもあります。
ブランドは、「これはこういう存在です」と、ひとつの世界観や言葉で「らしさ」を伝えていく仕事だとわたしは思っています。
だから時々、不思議になります。
こんなに一つにまとまらない人間が、「ひとつの軸」をつくろうとしている。
自分のことすら、まだよく分かっていないというのに。
商品のブランドとロゴや香り、写真や色、空間や言葉、多角的な方法で少しずつ輪郭が作られていく。
その過程を、デザイン会社の私たちは何より大切にしています。
とりわけわたしはデザインには詳しくないので、デザインチームとの打ち合わせでは、「そんな見方があったのか」と日々驚かされることばかり。
たくさんの視点と要素が混ざり合って一つのブランドになっていくんだなぁ、
その過程を見ていると、ブランドづくりは、自分の輪郭を知る作業にも少し似ている気がします。
Vintryを手に取ってくださっている皆さんは、どんなものか好きですか?何が好きで、どんな景色に心が動いて、どんな美学を持っているのかなぁ。
いつか直接お会いして、そんな話をゆっくり聞く機会を作れたらなぁと。
そんなことをまたまた考えていたら
三連休があっという間に過ぎてしまいましたとさ。
Writer Shiori